2016年前半は「台湾国際ドキュメンタリー映画祭」をテーマの一つに。

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きっかけは、去年ご縁のあった台湾のドキュメンタリー映画『河北台北』の字幕校正をお手伝いしたことだった(記事はコチラ)。

主人公はすでに鬼籍の人となった監督の父上。ふた言めには必ず毒づくという、強烈なんだけどちっとも憎めない主人公の語る個人史が、実は台湾と中国だけでなく、朝鮮戦争にも及び、アジア史ともいえる内容に仕上がっていた。その語りを日本語字幕で見られたのは今のところ山形国際ドキュメンタリー映画祭だけ。ちょっともったいないなあ、と思っていた。

すると後日、ツイッターのフォロワーさんから「見てきました」とメッセージをいただいた(中文だけど)。その方とやりとりする中で知ったのが、台北のお隣、新北市板橋にある映画館「府中15」である。公式サイトを見ると、こんな一文がある。

為了培養紀錄片觀影人口、建立紀錄片工作者發表平台,新北市政府於100年12月3日啟用全國第一個以紀錄片為主題放映的場地—「『府中15』新北市紀錄片放映院」。除了作為優質紀錄片定點放映、舉辦名人講座之地點外,並結合府中商圈,打造市民休閒及觀賞藝術電影的藝文特區。
訳:ドキュメンタリー映画の観客育成と、作品発表の場を建設するため、2012 年 12 月 3 日、新北市政府が設立したのが台湾で初めてドキュメンタリーを専門に上映する映画館「府中15 新北市ドキュメンタリー映画上映館」である。質の高い作品を上映し、著名人による講座を行うほか、府中の商業エリアと協力し、市民レジャーを生み出し、アート映画という芸術文化の特区をめざしていく。

へええ、とワクワクしていたら、ひょいっと目に入ってきたのが、台湾国際ドキュメンタリー映画祭(台灣國際紀錄片影展、TIDF)の存在である。これまで、台湾映画アワード(金馬獎)、台北電影節、台湾国際女性映画祭(臺灣國際女性影展)があるのは知っていたけれど、ドキュメンタリーに焦点を当てた映画祭があることは、このとき初めて知った。

台湾国際ドキュメンタリー映画祭公式サイト
http://www.tidf.org.tw/zh-hant

1998 年に始まった TIDF のモデルとなったのは、日本の山形国際ドキュメンタリー映画祭だ。奇数年開催の山形に対し、TIDF は偶数年に開かれ、2016 年でちょうど 10 回を迎える。途中、台中にある国立台湾美術館が中心になって行われることもあったが、2014 年に舞台を台北に戻した。背景には、前年に台湾文化部(日本の文化庁に相当)がファンドを設立し、台湾映画に力を入れるようになったことがある。それまで資料保存が主な業務だった映画資料館を格上げし、研究や出版、映画関係者の育成まで業務範囲を拡大した。

教育は百年の大計、というが、文化も同じだ。民間主導の日本と違って、台湾では映画にとどまらず文化全般の育成に政府の積極的な取り組みが見られる。もちろん、政府がかかわることの是非はあるだろうけれど、これも台湾が辿ってきた歴史と大きく繋がっている。

それはともかく、TIDF のサイトを見ていたら、ちょうどボランティアを募集している、とあるではないか。これも何かの縁かもしれない、と申し込んでみたところ、すぐに「ぜひ」とお返事をいただいた。かくして、台湾国際ドキュメンタリー映画祭の広報・編集担当ボランティアとなった。今年前半は、この映画祭を追っていく。まったく初めての取り組みだが、楽しんでいくつもり。

以後、上映予定の作品情報はもちろん、映画祭にまつわるあれこれをお届けしていく。よろしくお見知り置きを。映画祭の上映作品や取り組みをご紹介いただける媒体などご存じの方がいらしたら、ご教示いただけるとうれしいです。なお、映画祭は 2016 年 5 月 6 日〜15 日まで台北で開催の予定。

台湾国際ドキュメンタリー映画祭公式サイト
http://www.tidf.org.tw/zh-hant

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