台湾で日本の紀伊國屋書店に感動

kinokuniya海外で日本語の本に大量に触れる機会は、案外ないものだ。機会といっても、語学留学の期間程度ならさほど問題ではないかもしれない。たとえば半年くらいまでであれば、現地の環境に慣れるのに必死で、日本語の本を欲する感覚どころではないだろう。けれども、滞在が 1 年、2 年と長くなるに連れて、「ない」と認識した途端に急激に欲しくなる感情へと移り変わる。そこへ来て、現地で日本語の本ばかりが並ぶ書店に足を踏み入れたときのココロの弾みようといったら…やっぱり格別だった。

思うように本が入手できなくてしんどいと感じるようになったのは、少し前からだ。8 月半ばまで通っていた台湾大学の図書館も日本語の所蔵はあったから、ちょくちょく利用していたし、在外公館にあたる交流協会には図書館が併設されていて、そこもいろんな書籍が置かれている。ただ、やっぱり話題の新刊なんぞは、どうにも触れるチャンスがない。Amazon のなか身検索もすごいサービスだと思うけれど、中には目次データさえ準備されていない本があったりして、(くそう、ちゃんと仕事しろよ!)と担当編集者に毒づきたくなる(←八つ当たり)。だものだから、一時帰国の際にアホほど買って帰ってきた。あれは立ち読みの魔力にやられたのだ。何冊かはまだ開いてもいない。立ち読みは一種の贅沢だと思うようになった。

紀伊國屋書店が、海外に店舗を持っていることはだいぶ前から知っていた。前の会社では、日本語学習の商材を扱っていたからだ。ただ、当時はまさか自分がお世話になるとは思ってもいなかった。ただ、海外にそういう書店がある、ということを知っていたのはラッキーだったのかもしれない。新作の映画を観に行くことになり、チケットを予約する際「どこの映画館に行く?」と聞かれて、「微風広場がいい」と即答した。なぜなら、そこに紀伊國屋書店があるから。当日、映画が始まる少し前に立ち寄った。

足を踏み入れた途端に、ぶわっと押し寄せるような感動に包まれた。——図書館もいい。Amazon も Kindle もいい。だけど、本に直接触れることができる、というのはそのどれにも勝る、なんと贅沢なことなのだろう。うれしさのあまり、2冊を即買いしてしまった。

台湾には紀伊國屋の店舗が 4 つある。うち台北には 2 カ所。天母という日本人の多い地域と、今回寄った微風広場というショッピングモールの中にある。ビルの中には、無印良品と Afternoon tea、東急ハンズもあり、日本の百貨店のようだ。店舗の中には日本人向けのサービスカウンターも用意されていて、日本人の利用客が多さが想像できる。

帰宅してから紀伊國屋書店(台湾)のサイトを見てみると、台湾に支店ができたのは古く、1987 年と記されている。これは台湾の戒厳令が解除されたその年だ。そういえば吉野屋もそうだ。その年から台湾に支店を作るって、やっぱりその前から解除の話は伝わっていて、渡ってきたってことなんだろうか。なお、微風広場に店舗ができたのは2009年と比較的新しい。400 坪、28 万冊の蔵書を有する、とサイトにある。実際、新刊、コミック、文庫、実用書、雑誌など、日本の店舗とさほど変わらぬテイストだ。

さらにすごいのは、会員は 2 割引ってこと。1 年に 500 元という会費がかかるのだけれど、この本の買い方からすると、きっと元手は回収できる。大哥にも「ここで買えるなら、わざわざ日本からあんなに重い思いして買ってくることないでしょ」とあっさり了承された。ああ、今回、会員になっておくんだったなあ。次こそ! …っていうか、取り寄せはできるんだろうか。今度行って聞いてみよう。できたら即入会だな、これは。

参考)
紀伊國屋書店(台湾)

 

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