台湾のガイドブック市場に見る次のフェーズ。

Jpeg
先日、こちらのライター仲間たちとゆっくり話す機会があった。皆、書くことを通じて台湾のあれこれを紹介している。自然と、自分たちがかかわった本や企画の話になり、近頃のガイドブック談義になった。

台湾のガイドブックは、数えるときりが無い。わたしが初めて台湾を旅行で訪れた 3 年前ですら、台湾全土ではなく、台北に限定されたものが登場していた。この数年で、女性誌の台湾特集はどんどん広がり、「え、あの雑誌も?」ということが増えている。いろんな人の興味が広がることはいいことだし、本を出すのはそのためでもあるのだけれど、ちょっとややこしいことも起きている。

 

スポンサーリンク


 

例えば、現地から、台湾っぽくて、オモシロいなあと思う企画を出しても通らない。求められるのは、素敵でお洒落な「あの」姿。現地からも情報は出すし、求められれば別案を出すことはあっても、最終の決定権は日本の版元編集者にある。版元、というか日本にいるのだから、おのずと旅行の感覚と暮らしの感覚に開きが出る。なんだかねえ、と長くガイドブックにかかわる友人がぽろりとこぼした。

だが、こうした傾向だけではない。先日、『Hanako』2015 年 7 月 23 日号で「台湾が叶えてくれる 100 のこと」という特集が組まれた。かき氷、リノベカフェ、なんてあたりは、他誌でも同様の企画を見たことがあるけれど、電気鍋だけでなくハケや帆布、耳かき、お弁当箱、台所用品などの日用品や、食品、アンティーク、さらには家庭料理への挑戦、おまけに台湾男子も話題の映画とともに紹介されていて、いろんな角度から読者に台湾を楽しんでもらおうという気持ちが記事にあふれていた。

総合的な旅行ガイドブックではなく、台南など別の地域をテーマにしり、食や雑貨などワンテーマを掘り下げた本は少しずつ増えている。台北は各誌でやり尽くした感があるし、高雄への直行便も増え、アクセスが容易になったことなども背景にあるだろう。ただ、こういう新しい切り口は、やっぱりある程度、ベースになる情報が広がって初めて生まれる現象だ。

物事はなんでもそうだけれど、基礎から応用に流れていく。本なら、広く浅く間口を広げた入門書から、深く切り込んだ専門書へ。1 冊にいろんな人のニーズを盛り込むことなんてできやしない。台湾でいうなれば、もうちょっとディープで、一点にぐっとフォーカスした姿を伝えられる時期に入ったように感じる。

ガイドブックの次の本。紙媒体だけでなく、台湾をテーマにした電子書籍も少しずつ出ているし、選択肢は増えている。……ただまあ、何はさておき、まずは勉強しないと!

 

スポンサーリンク


 

Post Navigation