台湾の本屋で見つけた《老屋顏》がオモシロい件。

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リアルの新刊書店、古書店、ネット書店、電子書籍。本の買い方は、インターネットなるものの出現によって、多様化している。その傾向は、台湾でもさして変わらないのだけれど、海外にいることも手伝ってか、台北でリアル書店に行くたびに(ああ、やっぱり手に取れるのはいいなあ)と思う。

台北には日系書店が二つ出店していて、店舗も複数ある。その書店とは紀伊國屋書店とジュンク堂。先日、ちょうど紀伊國屋の会員サービスデイだったこともあり、久しぶりに紀伊國屋に向かった。ここを最初に訪れた時のことは以前の記事にも書いた。

 

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微風広場というショッピングセンターには、フードコートやブランドショップが吹き抜けを挟んで並ぶ。中には、ユニクロ、Afternoon Tea、無印良品、東急ハンズなど、日本ブランドがいくつも入っていて、最上階は映画館という造り。紀伊國屋書店(台湾)の台北微風店は、ここの 5 階にある。フロアは、日本の書籍と台湾の書籍のコーナーに分かれていて、台湾書籍は金石堂という地元の書店が担っている。同じフロアにはカフェが併設され、サービスデイにはここも割引の対象になる。

日本の書籍を買うつもりだったのだけれど、目指していた本が無く、あれこれ見ているうちに結局、台湾の本を買った。手に取って引き込まれた本の名は《老屋顏》という。

この本、台湾各地にある古い建築物を訪ね歩き、その建物が辿ってきた歴史と、そこにまつわる物語を、当時のモノクロ写真などとともに紹介する。

紹介される古建築は、たとえば、台北のおしゃれなカフェとして今やガイドブックで取り上げられることの多い青田七六、昨年そのリニューアル開店が大きな話題を呼んだ林百貨のほか、台北 3、台中 2、彰化 1、雲林 2、嘉義 1、台南 6、高雄 4、屏東 1、宜蘭 2 の1910 〜 70 年代に建てられた 24 か所。どれも魅力たっぷりで訪ねてみたくなるものばかり。

さらにオモシロいのが、「如何欣賞老屋」という名の章。台湾ならではの古い家屋の楽しみ方が収められている。そこには、90 年代後半に急速に失われていった窓飾りをはじめ、人工大理石、レンガ、飾りブロック、タイルなど、台湾の建築にあったデザインのあれこれが紹介されている。手にとって見ると(わあ、こんな柄があるんだ!)と驚かされるし、どうせ歩くならよく見てみよう、という気にさせる。

だから、本書は、建築にかかわる本といってもいいし、ある種のガイドブックでもあるし、建築の歴史をたどった記録ともいえる。仕掛けが幾重にも施されていて、いろんな角度から楽しめる。

ちなみに、著者のサイトを見ていたら、なんとこれらのデザインは、いまや台湾土産として人気の高いマスキングテープやコースターになっていた。商売上手だなあと感心すると同時に、そうか、デザイナーの仕事って、新しいデザインを生み出していくことだけではなく、古きよきデザインを残していく側面もあるのか、と感じ入ったのだった。

日本ではいま、デザインに関する二つの大きな出来事の最中だけれど、台湾のデザインには以前に続いてなんだか明るいイメージをまた強くした。なんにせよ、台湾の書店に並ぶ本には、台湾の現在過去未来、いろんなモノが詰まっている。本書もだけれど、書店にもぜひ立ち寄っていただきたいと思うんである。オモシロイよ。

 

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