台湾で中国語を学ぶ人にすすめる語学参考書4選

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現地で現地の言葉を学ぶ。それにだってそれなりに準備が必要だ。特に押さえておきたいのが、どの参考書を持っていくか、という問題。台湾では日系の書店もあるからいざとなれば買うこともできるが、やはり本の環境は日本と同じではない。すぐに手に入らないというだけでなく、割高になる。だからできるだけ厳選しておこう。以下はタイトル通り、台湾で中国語(北京方言)を学ぶ、という人に向けてセレクトしてみた。

語彙の整理に:キクタン中国語シリーズ(アルク)

よほどにセンスのいいひとか、留学前にしっかり勉強した人以外、留学の最中は授業についていくので結構大変なことだ。特に台湾で使われる中国語の教科書『實用視聽華語』シリーズは 1 課の新出語が 50 を軽々と超えてゆく。品詞の区分けは細かく、巻末にある語彙リストはアルファベット順という構成。だから、どこかのタイミングで、一度習った品詞の情報を授業後に自分なりに整理する作業が必要となる。

本シリーズは、そうした整理にもってこいだ。何よりも語彙がきちんと記憶に止まるよう、リズムに乗って学習できる。語彙の広がりは学びの視野をぐっと広げる。その大いなる手助けをしてくれる。各巻は、品詞でまとめられているものの、意味同士のつながりは比較的ゆるいし、ランダムに出てくるからこそ手がかりに頼らずに記憶することにつながる点がなおいい。必ずしも教科書と同じ語彙ではないし、台湾と中国大陸の使用の違いなどはあるけれど、それは学習が進んでからの整理でよいだろう。

また、留学後に帰国して中国語関係の試験合格を目指すなら、留学中からこういった参考書を利用して準備しておくとよい。教科書中心に、だけど参考書として、語彙力の強化ツールとしてそろえておきたい。

文法の整理に:完全マスター中国語の文法 改訂版(語研)

言語の骨格ともいえる文法は、授業でもしっかり学ぶ。だが、教師の説明は多くが中国語(ただし入門クラスで英語を使うこともある)。違う言語で文法の説明を聞くのは、なかなかストレスフルな作業だ。そんな時に役立つのは日本語で解説された文法書だ。

本書は 2003 年の刊行以来、コンパクトにまとまった内容が支持されてきたものの、長らく索引がないことに不満を持つ読者が多かったよう。2015 年 2 月、ついに巻末に索引の項が設けられた改訂版が出た。これが実に検索しやすく、重宝している。文法項目は、アルファベット順、あいうえお順だけでなく、キーワードや文型パターンでも引ける。

中国語関係の参考書には、索引がないものがよくあって利便性の追求が甘い!と突っ込みたくなる本があるが、こういう学習者の利便性に対応して改訂したことに敬意を表する。習った文法の復習や授業の予習に役立てたい 1 冊だ。

日本語の言い回しから探すなら:適時適所日本語表現句型辭典(大新書局)

中国語と日本語は言語構造が大きく異なる。そのため、最初は語順や補語の習得に苦労する。レベルがあがっていくと、日本語の言い回しをどう中国語に変換すればいいかにわからない場面に出くわすことがたびたびある。日本語で言いたいことを中国語の文法に収めるにはどうすればいいかわからない、そんなときに活用するのが本書だ。

もともと日本で出版された日本語学習者向けの教材だった。このときから中文訳はついていたのだが、版権が台湾の出版社に売られ、そこで編集が加わって繁体字になった。項目は日本語の文法で分かれている。

語彙は通常の辞典で探し、文法や表現のバリエーションはこの本から探す、という手が考えられる。組み合わせで考えるのだ。ただ、中国語学習者向けに作成されたものではないので、その点はくれぐれも誤解なきように。

台湾だからこそ、の言語を学ぶなら:はじめての台湾語(明日香出版社)

中国語を学びに台湾へ、確かにそうで、語学学校や授業で習うのはもちろん、中国の北京方言なのだけれど、あえて紹介しておきたいのが本書だ。というのも、台湾の街中にあるのはそれだけではない。街中には現地の人たちが「台語」と呼ぶ言語があふれている。

台湾は日本のように日本語だけ、という場所ではない。台語のほかにも、客家語、原住民の言語など、さまざまな言語が使われるバリエーション豊かなところだ。若い世代は中国語(北京方言)で教育を受けているけれど、台湾で中国語(北京方言)が学校などで使われるようになったのは、実は戦後のことだ。また、特に年配者の多くが使うのは閩南語、もしくはホーロー語と呼ばれる言語。

せっかく台湾で語学を学ぶのだから、少しかじってみる、というのも手だろう。相手によってはぐっと距離が近くなること請け合いだ。

語学学習に近道なんぞない、これは来台して 2 年半経った今もなお思うことだ。地道にコツコツ、積み重ねていくこと。それ以外に王道などない、いや、むしろそれこそが王道なのだ。と、まあエラそうなことを書いているが、自分もまだまだ遠い道のりを歩いている最中だ。何はともあれ、その一端を紹介することが、ここまで読んでくださった方の一助になるよう願う。

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