おすすめの中国宮廷ドラマ3選


ここ数年、中国のドラマ市場が熱い! その本数の増加もさることながら、クオリティが一気に向上しているように(一視聴者ながらも)見える。

たとえば脚本。最終クライマックスまで、きっちりと伏線が張り巡らされて、段階を追って話に深みが増していく流れになっている作品が増えてきた。 NHK 朝の連続テレビ小説や、大河ドラマよりも長い、数十話という話を魅せる脚本があるのって、もう、それだけで素晴らしいと思う。

たとえば画。これぞ中国!と思わせる。場合によっては作られたシーンもあるのかもしれないけれど、(これは日本では撮れないなあ)と思うシーンが多々あり、なおかつ、いかにも作り物!感が減ってきた。撮影用の紫禁城とか、なんていうか、もう、中国だねえ、としかいえない。

続々と放送、配信、レンタルの作品が増えているが、中でも、中国の宮廷ドラマは見所満載だ。中国政治の表裏のつながりや、観光地としての紫禁城で行われた特別な日常、さらには嫉妬うず巻く人間ドラマが展開される。

ここでは、数ある中国歴史ドラマのうち、宮廷ドラマとしておもしろい!と思ったものを紹介してみる。

『宮廷の諍い女』(原題:後宮 甄嬛傳) → 公式サイト

宮廷ドラマの最高峰といえる作品がこれ。全76話で、2011〜12年に中国で放送されるやいなや一気に注目を浴びた。清朝第 5 代皇帝、雍正帝の在位 13 年の後宮が舞台だ。一見、きらびやかな後宮における妃たちの日常は、もう一つの政治権力闘争で、妃嬪の序列の厳しさはもちろんだが、その序列に影響を与え、雍正帝政権を支えた年羹尭(ねんこうぎょう)の存在も効いている。人間の嫉妬が、かくも恐ろしいものかと戦慄を覚えるほど、深く切り込んでいる。3部構成で段階を追ってすごいことになる。ちなみにタイトルは「いさかいめ」と読む。

『宮廷女官 若曦(ジャクギ)』(原題:步步驚心) → 公式サイト
清朝第 4 代皇帝、康熙帝の在位は61年とかなりの長期政権だった。その間に、皇后は歴代 4 人、以下、皇貴妃 2 人、貴妃 1 人、妃 11 人、嬪 10 人、貴人 16 人、庶妃 4 人、常在 13 人、答応 10 人と計 71 人(!)がおり、康熙帝の子として息子 35 人、娘 20 人いたという。そんな数だから当然のことながら、お世継ぎ問題は一大事となる。跡を継いだ雍正帝には、その即位についてさまざまな見方がされている。この、お世継ぎ問題を主軸に据えたのが本作だ。原作小説のタイムトリップと皇子たちとの恋愛という仕掛けも効いて、続編も出た人気ドラマ。

『皇貴妃の宮廷』(原題:多情江山) → 公式サイト

清朝第 3 代皇帝、順治帝(アイシンギョロ・フリン)と漢族女性ドンゴ氏の、民族を超えた愛を貫く、難題押し寄せまくりのラブストーリー。全 59 話。親の反対、周囲の説得と理解、嫁姑問題に加え、親の事業を継ぐ二世の苦悩など、今につながる課題をどう乗り越えるか。ベースには、歴代王朝で初めて満州族が政権を握った清の、複数の民族をたばねる難しさがある。いわば約400年前の国のトップの国際結婚だ。国際結婚している身としては、異民族との結婚ってこんなに難しいことだったのね、と思うことしきりの作品。

中国の歴史でみると、三国時代と清朝時代が特別おもしろい。日本で置き換えると、戦国時代と明治時代のような波乱万丈っぷりだからだ。ことに清朝の初期は国ができていく過程ということもあって、状況がかなり複雑。翻って、その裏側にある後宮も複雑ときている。清朝の特殊性や志向がどうだったのかを理解するのにもいいし、何より、人間の嫉妬ってこんなにも人を狂わせるのだなあと思わされる。歴史ドラマは人間ドラマ、なのだ。

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