『レールの外ってこんな景色』読後

tablet冒頭の一文にこうある。「人生は、時に「レール」に例えられることがあります。車輪を乗せ、列車を目的地へと誘導する、細くも逞しい2本の軌条。それに乗って、導かれるままに進めば、人生は安泰。敷かれたレールの上を走り続け、それぞれの目的地へ向かうことこそが、安定した生活を歩むための最適解なのだ、と」そのレールの外に出て、ブロガーとして活動する立場の方々10人が手がけたのが本書だ。それぞれの軌跡を振り返りながら、働き方や生き方について書いている。書き手のうち中里氏は正確なところがわからなかったのだけれど、1981〜1993年の生まれ。さすがのネット世代で、TwitterなどのSNSを通じて知り合ったメンバーが、顔を合わせているうちにやってみよう、と電子書籍を作ることになったようだ。こういった行動につなげられるのも、ネットがある今、だから。

本文は横組でKindleで読める。電子書籍って、紙の本がロールモデルになっているからページをめくる仕組みなのだけれど、ネットみたいに下にスクロールできればいいのにな、と思うのはわたしだけだろうか。またオモシロいのは、Amazonのプライム会員は無料で読めるってところ。プライム会員は、海外に移ってからはあんまりメリットを感じられず今は普通の会員なのだけれど、こういう仕組みが増えてくれば会員という選択肢も増える気がする。

 

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それぞれの軌跡は本書で読んでいただくとして、個人的にヒットしたのは、ラジおこしの下津曲浩氏の項だ。好きな芸人さんの路線はちょっと違うのだけれど、初めてお笑いライブに足を運んだ時の衝撃や、バナナマンのPodcastへの感想はほとんど同じ。この原稿を書くのにラジおこしのサイトを見たのだけれど、どうやら記事の更新が停止になったようだ。

合間に設けられた「質問コーナー」は複数著者ならではのコラム企画だろう。質問は「ブログによって、あなたの人生の幅はどのくらい広がりましたか」「長期的なPV数を稼げる記事に共通点はありますか」といったブロガーならではの内容から「朝ごはんについて気をつけていることはありますか」「これから小学校教員になる人に求められるものは?」といった変わった角度の質問のほか、「40代や50代に向けての、新しい生き方の作り方ー、へのアドバイスがあれば、お聞きしたいです」があった。アドバイスらしいアドバイスとしては金野和磨氏による、収入源を複数持つ、だろうか。これは、世代や職業に関係のない、一つのヒントかもしれない。

読み終わって感じたのは、若いなあ、ってことだった。それぞれに苦労はしているのだけれど、なんだかゆるっとしていて、字間が空いているような読後感。少し前に読んだ『ブログ飯』は、個人史が語られている点では本書と同じなのだけれど、1行がギュッとした語り口調で、時間軸や空間軸、思考の深め方、ブログの位置づけ方が異なる。わたしが読んでオモシロかったのは、『ブログ飯』なのだけれど、これは世代差なんだろうか。

『ブログ飯』についての過去記事

ちょうど40歳になるその年に台湾にやってきたわたしもまた、彼らと同じレールの外を行く選択をした一人、ということになる。ただ、安定収入の生活から海外留学というルートも、知り合った留学生に複数いたし、新卒入社して 1 年経たずに辞める人もかなりの数見てきた。そもそも、誰一人として同じ人生が存在しないってことを考えると、「レール」ってなんだろう、という問いに戻る。レールは敷かれているものではなくて、実は自ら作っていくものなんじゃないだろうかしら、ね?

 

レールの外ってこんな景色: 若手ブロガーから見える新しい生き方

 

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