台湾中国語テキストに対する2つの不満

text台湾では、台湾師範大学が中心になって制作した『新版 實用視聽華語』というテキストが教科書の定番中の定番となっている。全 5 巻のシリーズで、全編繁体字。師範大学、台湾大学、文化大学など、台北の大学付属の語学センターではこのシリーズが使われている。ほか教科書を使用していて、わたしの知っている学校は一般の語学学校だけだ。各課はざっと、本文、単語、文法、練習、タスクもしくは文章といった構成になっている。副教材には、学習者向けの練習帳と、教師向けの簡単な指導書がある。太っ腹だなあと思ったのは、YouTubeで動画が公開されていること。授業中に何度も観たのだが、15 年以上前に制作されたとあって、もはやコントにしか見えない感がなきにしもあらずだけれど、この制作費を考えたらいまなお使われているのは本当にすごいことだと思う。

実際、使用されている語彙は、日常生活でも触れる基本的な語彙が多く取り上げられており、よく練られた文法ベースの教科書だ、と思う。そうは思うのだが、実は 2 つ、大きな不満がある。

 

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シラバスに対する不満

3 新室友/吃什麼好/我想去台灣/談談地理吧/氣候跟出產/考不完的試/念大學容易嗎/你也打工嗎/誰最漂亮/你選誰/臺灣故事/看球賽/過節了/放假到哪裡去
4 新年晚會/我們的休閒活動/你看不看電視/這個電影真好看/我愛看表演/小心壞習慣/感情的事/女人的地位不同了/我看經濟發展/交通的問題/探親/救救我們的地球吧/比比看誰會說故事/來一段相聲

上記は3巻と4巻の各課のタイトルである。この2巻の順番を見た時に(おいおい、逆だろ)とツッコミ入れていた。というのも、3 巻は地理、歴史、気候、選挙といったテーマが来ているのに対し、4 巻では休日の過ごし方、映画、テレビ、生活習慣など、日常生活の話題なんである。抽象度からいって、3 巻のほうが明らかに高いのだ。だから、台湾に対する知識も多くなく、抽象的な語の理解度も少ない中で、気候や地理、歴史について語るのは、かなりキツい。

授業の中で先生がぽろりと言った。「改訂の時に 3 巻と 4 巻を入れ替えたらよかったのに」と。「あ、それ、まったく同感です」と言って二人で苦笑いした。

基本語彙→日常語彙→社会的語彙と増やしていくのは、抽象度からいって合理的だと思うのだけれど、そのようになっていない。まるっと入れ替えたほうが、社会制度の説明の際にもっている語が増えていいと思うのだけれども。どうしてこうなっちゃったのかなあ。

表記に対する不満

どうにも納得できないのは、1、2 巻はある注音表記が、3 巻以降は注音がなくなること。そしてピンイン表記になっている。一時的な留学で帰国する人たちは、ピンインの指導でいいのだろうけれど、問題は台湾に残ることになった際、ピンインでは通じない、ということだ。

まず、台湾の学校教育では注音表記のため、日常生活で台湾人の誰かに「それって発音は?」と聞いてみようものなら、会話にならないんである。町のあらゆる場所で注音が使われているというのに、ピンインしか理解できていないのでは、支障が大きい。台湾の国語辞書も注音で作られているから、辞書も引けない。

ちなみに、来台 10 年以上で台湾で中国語教育を受けたという人たちが指導されたのは、注音だったという。そのうちの友人の一人はパソコンの入力も注音。周囲に聞ける、というのはなんともうらやましいものである。

いま、改めてこれまで習った語彙をまとめ始めている。それが終わったら、語法ももう一度、見直す予定。いやしかし、結構膨大な数だなあ。あ、ちなみに本日の写真は、3巻を適当に切って持ち運びしやすくしたテキスト。紙の質がいいのはとてもいいことなのだけれど、なにせ 400 ページに加えて辞書なんぞ持つと、荷物がとてつもなく重くなる。それで、授業の際は当該の課と巻末だけ持ち歩くようにしていた。重いってのはいろんな人から聞いた不満でした。仕方ないけどね。

 


 

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