クラウド見積もりで失敗した話。

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クラウドソーシングという仕組みは、本当に便利だ。海外からでも日本国内の仕事をそれまでよりもずっと簡単に受けられる、という点で。

留学期間を終えてしばらくして、台湾からクラウドソーシングに登録してみた。単なる興味からだ。クラウドを活用したビジネスモデルがどうなっているのか、海外で対応できそうな案件があるかどうか、ほかの人たちはどんなふうに働いているのか、単純にそれらを知りたかった。

登録には、各種連絡先といった一般的な情報に加えて、個人としてのスキルを加えていく。オモシロイなあと思ったのは、本人確認の書類をデータで送り、審査結果が表示がされること。わたしの場合、あるサイトではパスポートだけでは住所が確認できないと返信があり、台湾の居留証を送ってやっと「確認ができました」というコメントが返ってきた。ただ、それでも登録は仮名が圧倒的に多い。わたしもxiaofanという仮名で登録したのだけれど、この原稿を書きながら思った。そういえば、なんで仮名にしたんだっけ?

自分の登録ページには、自己紹介文だけではなく、できることの見える化を図っている。たとえば、イラスト、WordPress、ライティング、デザインなど、自分の持つスキルを細かく登録していき、それぞれのスキルに段階をつけた自己評価でき、ポートフォリオも掲載できる。おまけに登録後は、登録したスキルにあった新しい仕事を案内するメールが届く。

仕事の種類は、WEB、映像など制作系の内容がほとんどだ。スキルとして他者に提示できるものは、こういったサービスと相性がいいのだろう。そうそう、翻訳や通訳の案件もあった。成約した案件を終えると、一緒にやった相手を5段階で評価することができ、コメントもつけられる。そうした評価は他者が確認することができるし、その評価を見て、また別の誰かがオファーする際の参考にしたり、どんな様子なのかがわかるようになっている。

システムに一つ一つを入力しながら、自分に客観的な目線がないと、こういうのがきちんと書けないと気づいた。わたしは大学卒業時は日本語教師を目指していたから、いわゆる就職活動らしきものをやったことがない。いわゆる就職活動とクラウドでの仕事探しは、方法は違うけれど、いずれにしても、自分を語る力が求められるし、見える化できるかどうかが必要という意味では同じような気がした。

で、登録後、実際にいくつか気になった案件に見積もりを出してみた。自分の仕事を見積もるのって、案外とムズカシイ。案件の予算はあらかじめ明記されているから、その中で「わたしならこのくらいでできます!」と言うのだけれど、こんなふうに自分で好きで書いている文章ならともかく、よそ様のお仕事だからね。

初めて成約になったのは、とある会社の運営するサイトの、インタビュー構成だ。文字起こしのデータはある、というので、気楽に(このくらいでいっか)と見積もりを出してしまった。運良くそれが通り、進め始めて一気に後悔が押し寄せた。未知の分野で、インタビュー内で出てくる用語がとにかくわからない。検索して、目的語を探し当て、資料読んで、まとめていく。自分の取材じゃないから、余計に(これってどういうことなんだろう)と壁にぶつかること多数。想像より相当に時間がかかってしまった

納品後、しばらくしてから「またお願いしたい」と相談をいただいた。だいぶ悩んだのだけれど、正直に言うことにした。この前は初めてのことで実際にかかる時間などが見積もれていなくて、金銭的に厳しいと思ったこと、継続になるならなおのこと、このくらいの予算でご相談ができるなら、と。ドキドキしながら送ったら「それでも」というお話になった。あとで伺ったら、社内で予算について交渉してくれたらしい。有り難や。

改めて、フリーランスとしてやっていく際に、スキルをどう見える化するかも大事だけれど、時間あたりの働くコスト感覚はもっとしっかり見つめる必要があるなあ。スキルの見積もり化もムズカシイな、と思ったのでした。

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