1月7日からレンタル開始の中国歴史ドラマ『将夜』の字幕、お手伝いしてます。

本作『将夜』は、同名の小説が原作で、中国ではすでにシーズン2が放送されている。内容は上の予告編動画できっちり説明されているので、これ以上は触れない。ひとつだけ台湾でもネットテレビなどで配信されていて、中華圏で太鼓判を押されていることを付け加えておく。

さて、通常はライターもしくは編集者と名乗ることが多いのだけれど、字幕のお手伝いをすることもある。今回は字幕のお手伝いについて説明しておきたい。

ライターも編集も専門職だし、もちろん字幕翻訳者もそう。それぞれに紙、ネット、映像、とメディア・媒体は異なるわけだが、共通する点がひとつある。

「文字を扱う」ということだ。

では、「字幕の手伝い」とは具体的に何をやっているのか。答えはシンプルで、誤字脱字を基本とした文字周りのチェックだ。

紙媒体では通常、時事通信社が出す『記者ハンドブック』が表記の基準として用いられるのだけれど、字幕には字幕の表記ルールがある。これまでかかわってきたのが紙媒体ばかりだったこともあって、知らず知らずのうちにその表記ルールが染みついているのだが、映像はNHKの『NHK漢字表記辞典』を軸に見ていくことになる。

前職でお世話になっていた方からお声がけいただき、字幕ソフトの扱い方から教わりながらスタートしたのが2017年のこと。当初は、どうしてもライター&編集アタマみたいな思考が働いてしまって、表現や言い回しだとかが気になっていた。担当さんから「そこじゃない」と言われ続け、最近ようやく慣れてきた(たぶん)。

表現が気になるのは、書き手として「自分ならこう言う」みたいなこだわりが頭にもたげるからだ。前後関係や流れが気になるのは、おそらく編集目線が働いているのだろう。校正者として巷の講座や授業を受けたわけではなく、実践の中で積み上げてきた経験なので、どうしてもブレが発生してしまう。そういった仕事の「揺れ」みたいなものを少しずつ削ぎ落としながら、続けさせてもらっている。

依頼があるとまず、全体の流れを理解するために、こちらで視聴可能な映像を通しで確認する。そこでドラマの展開を理解した上で、あとから効いてくる、ワード、場面、やりとりを押さえておくためだ。その上で、週に2〜3話という分量で翻訳者さんから届く翻訳原稿の初稿を、映像とあわせて確認していく。これが「お手伝い」の内容に当たる。

「文字を扱う」と一括りにしたが、具体的な項目にすると「誤字脱字をなくす」という文としての基本的な整合性はもとより、ルビ、事実関係、用語、名前、文体、呼び方、前後関係、テロップ、作字…など、どんどん細分化できる。それらすべてが確認項目だともいえる。

そうやって、翻訳者さんからあがってきた訳稿は本当にすごい。このすごさをどう表現したらいいのかよくわからない。ただ、このお仕事をいただくようになって、映像が製品化された状態になるまでに、おそろしく手間がかけられている、と実感したことは確かだ。

ちなみにこの『将夜』は全60話。訳稿はまだ道の途中だけれど、たとえ微力であっても、いいものを届けられるよう、全力を尽くすのみだ。

最後に、個人的に感じている魅力を一言。作品の世界観は壮大だ。その世界観を魅せる舞台セットもさすが中国!という迫力だし、キャストもすごい。香港の大スター・レオン・ライ(黎明)、『レッド・クリフ』の趙雲役フー・ジュン(胡軍)、『三国志 The Three Kingdoms』で司馬懿を演じたニー・ダーホン(倪大紅)、『イタズラな恋愛白書(我可能不會愛你)』のジン・シージエ(金士傑)など、おお!な役者さんが脇を固めていて、見応えたっぷり。シーズン2もぜひ日本語字幕で観たいな、と密かに願っている。

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