台湾短編ドキュメンタリー《回郷》、字幕の日本語をお手伝いしました。

仕事柄、台湾の博物館や記念館は、それなりに足を運んでいるほうだと思う。ベスト1はどこかと聞かれたら、私は迷いなく「王育徳記念館」と答える。全体構成、展示品、各種説明が充実していて、素晴らしい記念館だった。

今回お手伝いしたのは、その王育徳さんのドキュメンタリー作品だ。奥様や娘さん、お孫さんなどご家族をはじめ、多彩な関係者のインタビューを交えた約42分に、育徳さんの人生が凝縮されている。映像はYouTubeで全編見られるので、上のリンクからぜひご覧いただきたい。

映像もあることだし、ここでは王育徳さんその人のことには触れないでおく。また別の機会に、しっかりご紹介したい。

さて本作でお手伝いしたのは、画面下の日本語字幕部分の校正だ。本作は中国語(北京語)だけでなく、日本語も台湾語も混在しているので、わが家の台湾語母語話者にも確認してもらいながら、日本語を整えていった。一応補足しておくが、写真の横などにキャプ的に入っている文字は担当外。画面下とキャプ部分とで表記が揺れているのは、そういった理由なのであしからず。

ところで、日本と台湾で字幕翻訳の作業分担は大きく異なる。

通常、日本のクライアントからの依頼では、日本語の字幕作業を行う際、通常は字幕制作ソフトを使って行われる。映像とあわせて字幕を校正していくため、日本語字幕の「1秒4文字」という基本ルールが徹底されるし、映像と字幕が合っているかどうかも同時にチェックできる。だがその分、字幕翻訳者の作業負担は重くなる。

台湾における日本語字幕の翻訳は、純粋に文字だけを見るケースがほとんどだ。翻訳された文字を映像と合わせるのは編集の仕事になっている。そのため翻訳者は翻訳時に映像をチェックしながら微調整ができない。両者を合わせた作業が終わった段階で映像とセリフが合っているかを確認する。

日本スタイルのほうが翻訳者にとって納得の行く仕上がりになると思うし、せっかくやるなら、そこまでこだわりたい。当然、作業負担は多少重くなるわけだけれど、そのコンマ0秒の本当に微妙なタイミングに合わせてスムーズに見せたい、と思うから。
ただ、台湾のテレビを見ていると、人が話している途中でも急にコマーシャルが入ってくるのはごくごく普通にあるし、テロップは画面の4辺すべてに入るのだってへっちゃらだ。日本人がよく「台湾のテレビはどこを見たらいいかわからない」というけれど、台湾の人の画面認識って日本人とは違うんだなーと思う。

以上、内容とはまったく関係ないけれど、そんなことも踏まえて見ていただけたら幸いである。

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