台湾の披露宴で伍佰を歌ってみた

taiyu台湾は多言語社会だ。中国語、台湾語、客家語、原住民族それぞれの語、そして日本語と、いろいろな言語が複雑に入り交じる。職場では中国語だけど家に帰ると台湾語、なんていう切り替えはそう特別なことではない。中国語が少しずつわかるようになるに連れて、あ、ここは台湾語だな、などということもわかるようになってきた。ちなみに、台湾ドラマの中にもよく台湾語は挟まれている。日本でドラマを観るなら、日本語の字幕なり吹き替えなりがあるから、きっと気づかないことだろうけれど。

 

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留学前に考えていたより、この台湾語の比率は高い、と実感している。テレビは基本、中国語ではあるのだけれど、台湾語だけのチャンネルもあるし、ほかでもシャレだったり、現場のインタビューや掛詞、強調したい個所などは台湾語が用いられていることが多々あり、誰かの説明がないと意味がよくわからない。市場でもそう。台湾語が飛び交っている中で、中国語で話しかけ、買い物することになる。相手が切り替えてくれるから、それで買い物は成立するのだけれど、それにしても、と思う。

もうずいぶん前のこと。海外出張で廈門に行き、講演会のあいさつに立った日本人が、開口一番、中国語で話し始めた。すると 200 人ほどいた会場がどっと沸き、大きな拍手が起こった。相手の言葉を使うのは最大の敬意表明かもしれないと思わされた出来事だった。

 

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そんなこともあって、自分の披露宴の際、台湾語をどこかで使おうと思っていた。おじさんの鶴の一声でカラオケの導入が決まってすぐ、大哥に「台湾語の歌を歌おうよ!」と提案してみた。本当は去年流行った林美秀の歌が楽しげでよかったんだけれど、「あれはね、ダンナさんが亡くなって気楽でいいって歌だから披露宴には向かない」とダメ出しを喰らい、仕方なく別の曲にすることにした。林美秀はこの 11 月、日本公開の映画『祝宴!シェフ』にも出ているし、台湾ドラマには欠かせない、大好きな役者さんなんだけどなあ、と一人ごちながら。

そこで選んだのが伍佰である。台湾人なら知らぬ人はいないロック歌手で、世代を越えて愛される桑田佳祐みたいな存在。《愛情限時批》というデュエット曲は披露宴でもよく使われる曲なのだそうで、日本語の歌詞を見ても悪くない。これだ!と言い張ってやることにした。で、練習を始めたのだけれど、これがまた難しいのなんの。YouTube の動画に付いている字幕は中国語だし、聞こえてくる音を自分なりに再現すると「違う」と言われる。仕方がないので大哥の発音を文字に起こし、読み上げた。

 

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何度も何度も練習するのだけれど、意味ときちんとつながっていないので、覚えられない(歳のせいか)。あれよあれよと言う間に一番しか練習できていないまま、当日になってしまった。開き直って、歌詞を持って演台に立った。出だしの部分で声を張ったら、その瞬間、ぶわっと立ち上がった人たちが見えた。でも後半はまるで練習できてなかったのでだめだめで、後遺症が残りそうなほど凹んだ。

翌日、大哥の実家に向かった。お父さんが言った。「台湾語、すごかったぞ」。泣きそうになった。お父さんが喜んでくれたならもう、それで十分だった。これでどうやら後遺症にならずに済みそうだ。

 


 

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