中国ドラマ『宮廷の諍い女』を中国語で観るときに押さえたい単語1

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2011年に中国で放送され、大人気となった中国ドラマ《後宮 甄嬛傳》の日本語タイトルが『宮廷の諍い女』である。ちなみに後ろの 3 字の読みは「いさかいめ」だ。主役の甄嬛(しんけい)を演じたスン・リー(孫儷)はその後、2 人めとなる子どもを出産した後、2015 年末に前作と同じ監督、脚本家、キャストなどとタッグを組み、新作である《羋月傳》というドラマに出演。それがまたもやヒットしているという。とはいえ、台湾や日本での放送はまだ少し先なので、再度《後宮 甄嬛傳》の名場面を観た。

そのうちに、いろいろと気になる単語が出てきたので、調べてみることにした。初回はである。

 

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龍と皇帝の関係

中国版の大奥である後宮が舞台となっている本作の中国語字幕では、皇帝の体、健康などを意味する「龍體」、皇帝の子となる胎児を「龍胎」などと表し、やたらと出てくる。中日辞書を引けば、龍の字にはずらりと熟語が並ぶ。龍が皇帝のことを意味するのはわかったのだけれど、ではなぜ、龍の字が皇帝を表すことになったのだろう。

そもそも龍は架空の動物だ。京都国立博物館の解説によれば、龍の文字自体、紀元前17〜11世紀とかなり古くから見られ、龍はあらゆる動物の祖で、龍から鳥、獣、魚、甲殻類が生まれたとされているのだそう。そうしたことから、あらゆるものの頂点として、皇帝の意味となり、唐の時代には、皇帝が着る礼服に龍を形どった模様が施されるようになったとか。

参考)皇帝の龍 京都国立博物館

龍の爪の数が日本と中国では異なる。かなり昔に放送された人気アニメ『にっぽん昔話』のオープニングの龍は 3 本、少し最近でいえば『ドラゴンボール』の龍の爪は 4 本なのだが、中国では 5 本爪とされる。先ほどの古来の故事からすると、龍の爪は鷹から来ており、猛禽類のタカやワシ、トビの爪は 4 本。鳥山先生に軍配があがることになる。ではどうして 3 本の爪を持つ龍の絵が出てきたのか。勝手な想像に過ぎないけれど、龍の字の旁(つくり)にある、3 本の横線と合致させたのではないだろうか。

参考)猛禽の外部形態

台湾の南部・高雄市の観光スポットに蓮池潭という湖がある。写真にある塔は龍虎塔と呼ばれ、龍と虎で一対だ。中をくぐれば厄除けになるとされるのだけれど、くぐるにも順序がある。必ず龍から入って虎から出なければならない。前に立つと龍は左側にあるので、右利きだからなのかなぜかこんがらがるのだけれど、そうか、左右じゃなく、皇帝の側からあいさつしなきゃなんだな、とふと合点がいった。ちなみに、日本の鯉のぼりの由来は端午の節句に男の子の立身出世を望んで行われる風習だけれど、鯉が天に昇って龍になるところから来ている。

調べていて、ハタと気づいた。そういえば、日本の昔話である浦島太郎に出てくる龍宮城! 竜宮城とも書くけれど、それはさておき。現代の日本語で「宮」というと、皇室の方々を「宮様」などとお呼びするけれど、中国語の「宮」とは皇帝の住まいとなる宮殿を意味する。とすると、浦島太郎が亀に連れられて向かった先は、もしかして中国だったのではないか、と妄想することだってできる。ま、これは妄想に過ぎないのだけれど。

いずれにしても、後宮用語として、そして中華文化において、龍は超重要単語ということがよくわかるのだった。

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