中国歴史ドラマ《大軍師司馬懿之軍師聯盟》が三国志の疑問を解決する件。

三国志好きにはたまらないドラマを観終わった。中国では 2017 年 6 月から放送され、秋には続編も始まる《大軍師司馬懿之軍師聯盟》だ。

予告動画は↓約 8 分

司馬懿といえば、天下統一をめざす魏の曹操、曹丕、曹叡に仕え、のちにその孫・司馬炎が晋を建国して天下をすべた稀代の参謀である。

中国歴史ドラマ『三国志〜The three kingdoms』(原題:三國)では、曹丕の師として描かれ、曹丕が跡を継ぐまでの重要なポジションにいた。演じたニー・ダーホン(倪大紅)の目ヂカラに圧倒されまくったってのもあるけど、その情勢の読み、俯瞰した物事の見方、立ち回り方にはほとほと感服させられた。だから「主人公が司馬懿」と聞いた瞬間に、一も二もなくオモシロそう!と思ったし、実際に素晴らしい作品だった。

というのもドラマ『三国志』では腑に落ちない面があった。たとえば曹操が司馬懿に「お前を曹沖の師にしたい」と言う場面で、司馬懿は「曹丕につきたい」と断る。お互いになぜ曹沖なのか、曹丕なのか口にしない。だから、どうして司馬懿は曹丕なんだろう、と疑問のままだった。

その疑問を吹き飛ばしてくれたのが、この《大軍師司馬懿之軍師聯盟》だ。

そもそも司馬懿の出仕には荀彧がかかわっていたこと、曹丕との間に起きた出来事などが詳しく描かれていて、何度(なーんだ、そういう話があったのか)と思わされた。また、いまいちピンと来ていなかった荀彧の自死も、本作でようやくちゃんと理解できた。

単純に、キャストがまたいい。

主演の司馬懿に映画『北京ロマンinシアトル』(原題:北京遇上西雅圖)以来、遅咲きの俳優として活躍が目覚ましい呉秀破(ウー・ショウポー)、その妻・張夫人に『琅琊榜-麒麟の才子、風雲起こす』で雲南郡主・穆霓凰、『ミーユエ〜王朝を照らす月』で羋姝を好演したリウ・タオ(劉涛)、曹丕が司馬懿宅に送り込んだ間者・柏夫人(柏靈筠)にはチャン・チュンニン(張鈞甯)、曹操に『三国志〜The three kingdoms』で劉備を演じたユー・ホーウェイ(于和偉)、荀彧には『琅琊榜』の言侯を演じた王勁松、司馬懿の宿敵・楊修には『蘭陵王』の皇太子役・翟天臨など、日本でもおなじみの役者が勢ぞろいする。

(いや、劉備役が曹操役って!)と最初こそ違和感あったけれど、以前は登場さえしなかった司馬懿夫人や家族兄弟、曹丕曹植の壮絶な跡目争い、楊修との丁々発止、七歩詩の新たな設定など、うわー!と思うシーンが多々。これまでのドラマで観ていたことのぽっちり感を思うと同時に、描く人が違うと、歴史の見え方はこんなにも変わるものかと驚かされる。

もう一つ異なる点として、本作の司馬懿のキャラ設定がある。ドラマ『三国志』と正反対と言っていい。中国人は頭を下げないといわれるけど、いやいやどうして、この司馬懿は違う。床にひたいがつくほど頭を下げる。その時の呉秀破の背筋はまっすぐできれいだ。ただ、自信がなさそうに振る舞いながらも、さすがの曹操には、その本性がバレてしまう。そのやり取りも実に軽妙に描かれる。

中国歴史ドラマはどんどん洗練されてきている。歴史の描き方もさることながら、ドラマとしての深みが増している。続編が始まるのは 11 月。いよいよ、孔明との対決を迎える。

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