中国ドラマ『宮廷の諍い女』を観る時に押さえたいこと

hougong

日本で、中国歴史ドラマ人気の火付け役となった作品をあげるなら『宮廷の諍い女』だろう。

原題は後宮 甄嬛傳といって、中国では 2011 年に、台湾では 2012 年に放送が始まり、日本では 2013 年に BS フジで放映されている。甄嬛は主人公の名前で、中国版の大奥・後宮にいた甄嬛の伝記、くらいの意味だ。後宮で女性たちが繰り広げる壮絶な権力争いは、嫉妬がどんなふうに生まれ、どんなふうに人が人を欺くのかを丁寧に描いている。ドラマを観る際に押さえておきたい点をまとめてみた。

 

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何はさておき時代背景

日本の大河ドラマと同じように、歴史ドラマを観る際、時代を押さえておくと発言の理解度がぐっと深まる。特に、日本語という言語体系自体が文脈への依存度が高いこともあって、文脈を理解するとドラマがさらにオモシロくなる。ドラマの原作は、中国のネット小説、つまりフィクションなのだそう。原作では時代は特定されていなかったのだが、テレビドラマ化されるにあたり、清朝が選ばれたのだという。

日本で清朝といえば、映画『ラストエンペラー』で描かれた最後の皇帝・愛新覚羅溥儀〔あいしんかくら・ふぎ〕が知られる。中国の歴史史上、清は満州族が国を治めた時代だ。だからこそドラマの舞台である後宮で、皇后が満州族、甄嬛が漢族という立場が、女性たちの権力争いを理解する際のカギを握る。民族が理由となって大きな決断がなされることに注目しておきたい。

本ドラマは、ドラマ『宮廷女官 若曦(ジャクギ)』で描かれた 9 人の皇子による跡目争いの後のお話にあたる。在位 61 年という長期政権を維持した康煕帝の跡継ぎ、雍正帝が本ドラマの軸となる皇帝だ。ドラマは跡を継いでから政権をまとめていく時期に始まり、安定政権とは言いがたい状況で、長期政権を引き継ぐ苦労と苦悩が至る所に見える。また日本と違って中国はユーラシア大陸にあり、周囲を他国に接している。年羹堯という将軍が当時の清朝で重用されたのは、そうした背景が絡む。また時折、各地に兵が派遣されるのも同じ事情だろう。なお、雍正帝の在位は 13 年とごく短い。

中国版・大奥の序列

日本の大奥でも御台所は正室でその他の側室とは決定的な違いがあるように、後宮の皇后と側室にも差がある。日本の側室は子どもを産んではじめて正式な側室になるが、後宮では子の有無は関係ない。選ばれれば側室だ。ただ、この側室には序列が存在している(公式サイトを参照)。後宮における側室の数は位によって数に決まりがあること、その側室の序列は宮女(子)→答応→貴人→嬪→妃→貴妃→皇貴妃→皇后であることなどがまとめられている。

ちなみに、この序列は清朝時代のもので、中国語版の Wiki によれば、時代によって人数や言い方は異なる。世界の四大美人の一人である楊貴妃は、正室ではなく側室で高い地位だった、ということがわかる。

Wiki はネタバレに注意

以前の記事で、歴史ドラマを観るならWikiで時代背景を押さえておくのが一案だとご紹介したが、今回はちょっと違う。日本語版の Wiki に本ドラマのまとめがあって、まとめとしては素晴らしいのだけれど、先に内容を知りたい方以外にはおすすめしない。ちなみにわたしは途中で見て、重要なポイントを読んでしまって後悔したので、ここではリンクを貼らないでおく。読みたい方は、Wiki で「宮廷の諍い女」と入れると出てくるのでどうぞ。

中国語版で一通り観終えた。衣装やセットは素晴らしいのだが、なんともすさまじい内容だった。謎が随所に仕掛けられており、後半でその謎が次々と解き明かされる。中国語の難易度は高いけれど、とても見応えのあるドラマだ。

 

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