台湾ドラマ好きの中国語学習者に『蘭陵王』を勧める理由

lanlingwang

以前書いた中国歴史ドラマ『三國』の紹介記事を読んだ友人が「オモシロいって言うから中国語字幕で観てみたんだけれど、その字幕の中国語が難しすぎて 3 話で挫折しちゃった。もっと易しいレベルの歴史ドラマはないのかな?」と言う。そこで彼女に推薦したのが『蘭陵王』である。彼女のように台湾ドラマをよく見る、あるいは台湾ドラマが好きな方にはもってこいの歴史ドラマだ。理由は単純。台湾ドラマの要素がたっぷりだから。

 

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台湾キャスト・スタッフの充実

俳優陣にはアリエル・リン(林依晨)がいる。こう伝えただけで「ちょっとホッとする」とは彼女の言だが、気持ちはよくわかる。知らぬ土地で偶然再会した友達のようなもので、(あー、よかった。知ってる人がいた!)みたいな気分だ。また主人公とその周りの脇役にイケメンがズラリ。これも台湾ドラマの代表的な要素といっていい。彼女も「それ大事。『三國』は……ねえ」。誤解のないように補足するが『三國』にもイケメンは出てくる。序盤には呂布役でピーター・ホー(何潤東)がいるし、孔明や趙雲だって男前だ。また、主題歌がメイデイ(五月天)なのも、台湾好きにはポイントが高い点だろう。

ビジュアルがすごい。

全 46 話のこのドラマは中国と台湾で制作されている。プロデューサーはヴァネス・ウー(呉建豪)主演の『王子様の条件(原題:拜金女王)』と同じ。『王子様〜』では「セックス・アンド・ザ・シティ」のパトリシア・フィールドが衣装監督を務めていて、かなりのゴージャス感だった。一方の『蘭陵王』ではキービジュアルディレクションを、なんと蜷川実花が担当している。時代考証的にどうかはさておき、甲冑や国旗の形、赤や金の使い方など、いってみれば魅せる時代劇だ。

中国語字幕で観る方へ

では、中国語学習素材としてどうなのか。言葉遣いは現代ドラマよりは難しいが、いわゆる中国歴史ドラマの中では比較的易しい。成語や詩の引用はほとんどない(憶えてない)。第 1 話で背景説明があるのだけれど難易度やや高。そこで、手順としては次のような流れをおススメする。

(1) 公式サイトで時代やあらすじを押さえる。
 このときに、中国語のWikiを読むのもいい。
(2) 字幕で 1 話通して見る。
(3) 見ながら、わからない語やフレーズをメモしておく。
(4) 見終わってから辞書を引いたり、ネットで調べたりする。
(5) 欲をいえば DVD で日本語チェックする。
(6) さらに欲をいえば、中国語字幕で再チェック。
(7) さらにさらに欲をいえば、複数回見る。効果が実感できる。

ただ、ドラマで中国語を勉強する際に強調したいのは、多少わからなくても気にしないこと。何から何までわかろうとすると、ドラマを楽しめなくなる。まずは楽しむこと。そしてさらに大事なのは続けることなのだから。

時代背景の押さえ方

ドラマの時代背景の理解という意味で、公式サイトの素晴らしい年表を紹介したい。何がすごいっていろんなドラマがまとまっていること。『三國』『宮廷女官・若曦(ジャクギ)』『宮廷の諍い女』なども年表の中に位置づけられている。有り難いわー。

ここから、ネットでも本でもいい。時代背景をさらおう。ちなみにわたしが時代背景の理解として側用にしている歴史本は講談社文庫から出ている全 6 巻の『中国の歴史』。たいていは公式サイトにも時代背景が書かれているけれど、ドラマとは関係ない文脈でその時代のことを読むのは、別の角度からドラマを観ることにもつながる。

あと 2 点、付け加えておく。蘭陵王は歴史上、実在した人物だ。日本でも、雅楽の演目や、晩年の三島由紀夫の作品にも登場するのだとか。三島作品にはあたれていないのだけれど、日本との関連が深いテーマだということには触れておきたい。もう 1 点は、蘭陵王役のウィリアム・フォン(馮紹峰)の出演映画『いつか、また』(原題:後會無期)が大阪アジアン映画祭でABC賞を獲得、日本で公開されることになった。しかも4月11日から。中国でも注目されている俳優らしい。共演しているのは、あの大仁哥、チェン・ボーリン(陳柏霖)。映画は日本で 4 月 11 日から公開されるそう。ドラマとともに、ぜひ!

参考1)映画公開の報道はこちら
参考2)ボーリンがインタビューで語る『いつか、また』の話
参考3)映画の公開についてはこちら

 


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