台湾の夏は、山盛りのフルーツとともに。

わが家の台湾人によれば、「4月の清明節を過ぎたら、気温は上がる」というのが彼らの常らしい。今年はどういうわけだか涼しくて、少しばかり得した気分になっていた。ここ数日、午前中は土砂降り、そして雨が上がると暑さがぶり返し、一気に夏めいてきた。コロナに打ちひしがれている場合ではない。確実に季節は巡っている。

新型コロナで免疫力が話題になったが、半端ない湿気に、体感温度40度近い台湾の夏を乗り越えるために欠かせないのは、台湾のフルーツだ。

5月に入ると市場には、あちこちにどっさりフルーツを載せた車が止まり、鮮やかな手つきで皮を剥ぐ様が見られる。かたーい皮に包まれているパイナップルだってドリアンだって、お構いなし。あっという間につるりとした身にされてしまう。

日本で知られている台湾のフルーツといえば、バナナ、パイナップル、マンゴーあたりだろうけど、それだってほんの一部に過ぎない。いつだったか、台湾から日本へ留学したことのある人が言っていた。「日本に行って、一番困ったのは、果物が少なくて、おまけに高いこと」

少ない? そう? と首を傾げてみたものの、すぐに近所の果物屋さんの軒先が思い浮かんだ。何しろ初めて見た時、あまりの山盛りっぷりに度肝を抜かれた。しかも、台北でも大型の市場がある我が家近くの果物屋さんは、24時間営業ときている。果物だけで24時間営業って、日本では見たことがない。

真偽のほどは知らないけれど、大哥の友達がもっともらしく言う。「東南アジアでは台湾人のフルーツ農園の参観を許さないんだよ。すぐ自分たちで作っちゃうから」確かに、マンゴーだって日本人が知ってるのは1種類だけど、ほかに何種類もあるなんて、台湾に来てから知ったこと。そうやってフルーツの王様といわれるドリアンも作った人がいるんだそうだが、うちの台湾人たちに言わせれば「やっぱりタイのほうがおいしい」と容赦がない。その違いがわからぬワタクシめは、そもそもドリアンなど口にしたことなどなかった。「食べてみたら」という家族のおかげで経験値はあがり、自ら買い求めるようになるのだから、ホント、人生ってわからない。

そうそう、マンゴーかき氷、台湾旅行する人は皆さん召し上がるけれど、実はマンゴーの旬は夏、おおよそ5〜8月なのですよ。冬にマンゴー食べる台湾人には、少なくとも私はお目にかかったことがないし、かき氷に載せるのだってやっぱり観光客だけ。わが家では、果物ナイフでササッと切って、そのままかぶりつく。

先々週あたりから市場で目につくのは、ライチ。ぷりっぷりのライチ。ライチの皮は黒ずんでるもんだと思い込んでいたら、あれは冷凍後の色なんだそう。本当は爽やかな黄緑から少し赤の強い紫になる。この色も、きっと日本じゃ見られないね。旬は5月の終わりから6月中旬のほんのわずかな期間だけ。空の移動が解禁になって、自由に行き来ができるようになったら、市場で買って、ナイフなしでホテルでも食べられるフルーツとしてぜひとも試していただきたいお味だ。

そしてライチについて、台湾で知ったこと。楊貴妃が好きだったんだって! 楊貴妃のためにわざわざ南方から人力でお取り寄せしていたっていうんだから、唐王ってば権力の無駄遣いが過ぎたと思われ。

今朝はいつも行く八百屋さんで「マンゴーパイナップルがあるよ」と勧められた。冷蔵庫にまだマンゴーがあるから買わなかったけど、また試してみよう。食べきれないフルーツで免疫力をあげて、コロナに打ち勝つのだ。

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