台湾の外食と持ち帰りが支えるもの

food先月から翻訳会社でお仕事をいただいた。毎日、会社まで通っている。半日拘束だけれど、定期のお仕事があるのはありがたい。最寄り駅が台北 101 も眺められる市政府で、帰り道に誠品書店にも寄れるし、行き来だけでも楽しい。通り道に新しいお店ができた。(なんだかこじゃれた感じのお店になりそうだなあ)と思いながら眺めていたら、ある日、ロゴができて判明、そこは吉野家だった。吉野家が台湾に進出したのは 1987 年だという。戒厳令直後、そもそもは牛肉を食べない文化だった台湾に牛丼で攻める、というのはなかなかチャレンジだ。その上、15 年以上、こちらでビジネスを続けられているのは、本当に素晴らしいことだ。

 

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オモシロい台湾レポートを見つけた。「台北スタイルー日本食ビジネス特集ー」(ジェトロ)だ。吉野家他、すかいらーく、モスバーガーなど、日本発の外食産業のインタビュー記事などともに、台湾での食の傾向などがまとめられていて、そうだなあ、とうなずくことが多い。特にオモシロかったのが「台湾人の食習慣、嗜好、味覚」の項。「食べながらお酒を飲む習慣がある人が少ない」「汁物は一般に塩分控えめが好まれる」「料理についているスープを飲む傾向がある」……そうそう!と思うと同時に、個人の習慣ではなくて台湾スタイルなのか!と膝を打った。

 

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中で触れられていなかったことの一つに、持ち帰り文化のことがある。持ち帰りのことを、中国語では外帶もしくは帶走という。どこの店でも、たいてい「ここで食べる? それとも持ち帰り?」と聞かれる。お店に人が並んでいるなあと思うと、実は持ち帰り用の列で、中は空いている、ということだってある。

そういえば、いつだったか、小哥が「よくわからない人と隣になったりして外で食べるくらいなら、持って帰ってうちでテレビでも見ながら食べるほうがずっとおいしい」と言っていた。わが家に毎週、いろんな人が来るけれど、来る人たちはたいてい、なんだかんだと買って来てくれるから、作らなくていい。お客さんがあっても楽なのだ。

 

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最初はこの感覚がつかめなくて、アレコレ作っていた。ある時、これまた来客があり、料理途中だったからあいさつして「食べててくださいね〜」と言ってから、また続きにかかった。思いの外、結構な時間が経ってしまった。その間に何度も何度も大哥がのぞきにくる。何度めかの時に「もう少し時間かかるから、先に食べてて」と言ったら「みんな、美帆が来るまで食べないで待ってるんだ」と言われて、仰天した。あとで、準備よりも同席することのほうが大事じゃないの?と言われて、なんだかちょっとホッとした。

食事のスタイルは、文化によって違うし、家でも個人でも違う。にもかかわらず、女性の料理の腕にその責任が追わされることが多い。安くておいしいお店がひしめき合う台湾で女性が働けるのはいろんな側面から支えられているからなのだろう。

 

 

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One Thought on “台湾の外食と持ち帰りが支えるもの

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