台湾で電子レンジを持たない家庭が約半数な理由について

dianguo先日、ハフポの「【保有率3%】新興国に見る「電子レンジのない暮らし」の豊かさとは?」を読んだ。記事のグラフには、電子レンジの世帯普及率が記されており、日本は97.5%という数字がはじき出されていた。そこで(台湾は何%なんだ?)と思って調べてみたところ……

なんと 44.9% だった。

1998 年の 41.8% との増減を比較しても、10 年で 3.1% しか増加していない。同じ調査資料で取り上げられていた項目には、ケーブルテレビ 68.1%→81.7%、携帯電話 60.0%→89.8% と脅威の伸びを見せている。このデータは同時に、日本の電子レンジ普及率がいかに大きな数字かがよくわかる。

資料)台湾の国民所得統計国内経済情勢の展望(行政院主計処2009年8月20日)

問題は、なぜこうも持っていないか、だ。考えられる理由としては 3 つある。

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一つは外食の手軽さだ。以前「台湾の外食と持ち帰りが支えるもの」でも書いたけれど、小吃と呼ばれる食べ物屋は街のあちこちにあり、ふらっと寄って食べて帰ることもできれば、買って帰る習慣はどこの店にでもある。そういえば、持ち帰りのない店に出くわしたことはない。披露宴のお料理だって残れば持って帰ることが前提だし。

もう一つは電気鍋の存在だ。台湾ドラマなどを観ていると、よく登場する電化製品として電気鍋がある。炊飯器はご飯を炊く専用機として使うのが一般的だけれど、電気鍋は違う。スープ、蒸し物、温め、炊飯と、用途は多彩だ。使ってみると、これまた便利で手軽で、手放せなくなる。特に大同製の電気鍋は、台湾のお土産物になって売られるほど、身近な存在だ。

ちょっと横道にそれるが、その電気鍋で有名な大同股份有限公司(大同株式会社)は創立は 1918 年とかなり古い。電気鍋以外にも、エアコン、扇風機などの家庭用品から業務用まで事業範囲も幅広い。また驚くことに、1940 年代に創業者が作った電気系専門の学校は今、大学になっている。

参考)大同大学大同股份有限公司

さて、最後の一つはマイクロ波に対する意識の違いだ。

台湾に留学したばかりの頃、ホームステイしていた。そのお宅に電子レンジはあったけれど、一家はほとんど使わず、わたしばかりが利用していた。ある日、残り物を温めていたら、大家さんに「電子レンジは身体によくないから、使うのは最小限にしなさい。それからね、レンジを使う時は離れるのよ」とアドバイスされた。そう言われて思い出したのは、あるドラマの 1 シーンだ。主人公が「電子レンジは使わないで」とさらっと言っていて、やっぱり(あれ?)と思ったのだった。

ドラマの台詞にもなり、誰かの日常の習慣を注意する、というまでには、やっぱり情報や意識、教育がまるで違うのだろう、と想像される。ちなみに、電子レンジはないけれど、わが家には電気鍋がある(写真)。いえるのは、電子レンジは必ずしも豊かさの象徴じゃないってこと。日本にいた頃はよく使っていけれど、なければないで、どうにかなるもんだなあ、とも思うのである。

 


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