フリーランスという働き方と時間の関係。

150601

1 日は誰しも同じ 24 時間だ。こんな、いたって当たり前のことから書き始めるのは、最近、このことを改めて考え直す機会があったからだ。

時間というのは、会社員、アルバイト、派遣社員、フリーランス、どんな働き方にだって共通することだ。どんな時間の切り取り方をして働くかは、つまり、勤務形態につながることだ。会社員、アルバイトは、いずれにしても会社に行く働き方、派遣社員もそれとほぼ同じ。決まった時間に会社に行き、そこで仕事をこなすことが働き方の大枠であり、大前提となる。最近は在宅勤務や時短の制度など、徐々にフレキシブルな働き方が認められてきたが、話が複雑になるのでここでは脇に置く。

 

スポンサーリンク


 

さて、決まった時間に同じ場所に行って仕事をするのが前者なら、フリーランスは時間や場所ではなく業務の遂行が最大のマターだ。言ってみれば、会社への所属ではなく、案件への所属になるので、抱えている案件を基軸に自分で時間を切り盛りしていくことになる。案件と時間をどうやりくりするかは、そのフリーランスの仕事全体、さらに生活へも影響する大きなテーマだ。

というのも、フリーランスのスケジュールのやりくりは、実際、あまり簡単ではない。客先から仕事が来るのはいつも突然のことで、すべてが先方都合で話が進められていく。こちらで調整できるのは、せいぜい依頼から納品までのあいだだけ。納品した原稿がいつゲラになるか、いつ出版されるかは、正直、聞いてもほとんどしっかりした返事など返ってこない(そしてその理由は、まあ、察しがつく)。さらに、働いてもいつ収入が入るか、はっきりとわからないことだってある。

これまで、平日の午後は翻訳された原稿の日本語の校正という仕事で、台北市内の翻訳会社に通っていた。勤務形態は時間給、つまりアルバイトである。始めた当初は、その難しさに毎日心が折れていた。ただ、それまでに目にしたことがない、きっとこの先も目にする機会がないであろう、他所の書類を見ながら、いつの間にか新しい世界の虜になっていた。

ところがある日、「担当してもらう案件がしばらくなさそう」と上司から言われた。誤解のないように書くが、会社はいたって忙しい。わたしの力量もまだまだだし、そもそも案件には波がある。もともと誰かが翻訳を必要とするタイミングなんて、誰にもわかりっこない。じゃ、案件がなければ休めないか、とも思ったのだが、そうは問屋が卸さない。会社内には、校正以外にもいろいろな業務があり、会社として回っていくためにはなんだってやらねばならない。

だが、今後の業務のやりくりを話し合っていくうちに、ハタと気づいた。これは自分自身が、仕事に対するスタンスを見定める時なのだ、と。

そもそもフリーランスの武器の一つは「時間を自分で調整できる」ということだ。翻訳や翻訳校正の仕事については、本当に学ぶことが多かったのだけれど、午後がふさがっているために、これまでも断らざるを得なかった案件がいくつかある。

もちろん、フリーランス仕事の受注には波がある。ある時はあるし、ない時はない。たとえば、忙しくしている時に限って忘れていた前の仕事の後続作業が届き、さらに忙しくなったりする。そんなことは日常茶飯事だ。だけど、それもこれも含めて、自分の時間をコントロールしていく。

時間の話は仕事に限らない。行き着く先は、自分の人生という時間をどう過ごすか。大袈裟だろうか。でもマジメにそう思う。

1 日は 24 時間、1 年は 365 日。人は、誰もが知っているはずのことのことを、ともすると忘れてしまいがちだ。台湾に来る時に、わたしはわたしの人生を生きよう、と決めた。わたし自身が自分の時間を大切にできているか、そこをもう一度考えなければならないのだ、と思い至った。

かくして、翻訳会社を離れ、正真正銘のフリーランスとなった。今後はすべて案件ごとの受注。まあ、食いっぱぐれることのないよう、ただただ精進するのみ、である。

 

スポンサーリンク


 

Post Navigation