台湾の中国語を調べる時に必須の辞書サイトとアプリ。

150629

このところ、とある依頼で書籍の翻訳に取り組んでいて、辞書のお世話になりっぱなしの毎日だ。中日辞典はもとより、日本語の国語辞典、中中辞典に各種のサイト、さらには類語辞典と、あちこちで言葉の意味や用例を調べながら、あーでもないこーでもない、と訳をひねり出していく。これまでやってきた校正と翻訳とはまたひと味もふた味も違い、翻訳には翻訳のおもしろさがある。

さて、本のことはさておき、今日はその翻訳の過程で欠かせないアイテムを紹介する。辞書のことは、以前にも「台湾で中国語を学ぶ人にすすめる辞書3冊」という記事を書いたけれど、新たにブックマーク必須のアイテムとして加えておく。

 

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それは、台湾教育部が製作した国語辞典《重編國語辭典修訂本》だ。日本でいうと、文科省が製作した辞典。ただこの名前、「重編」というのが頭に付き、何度かわからないけれどともかく編集が加えられていて、元本ではなく改訂版だとはもちろん理解していたのだが、由来はよく知らなかった。

調べてみると、思っていた以上に来歴は古く、戦前 1926 年まで遡る。1931 年に編集が始まり、初版ができたのは 1945 年。この時の書名が《國語辭典》だった。70 年代に改訂作業を経て 1981 年に商務印書館という出版社から出されたのが《重編國語辭典》である。この時の出版契約の規定にあった「 5 年ごとに改訂する」という条項のため、1987 年に修正作業が始まり、1994 年に現在の名前《重編國語辭典修訂本》の完成に至ったという。つまり、めっちゃ大きな改訂が 2 回あった辞書、ということになる。

なんともすごいのは、94 年時点でネット公開された、ということ。先見の明というほかない。さすが IT 先進国台湾、というわけで 2015 年の今、単漢字ならおよそ 1 万 2,000 字、単語なら 15 万語の意味が気軽にネットで引けるわけだ。

もちろん全編が繁体字! 漢字から注音から意味からと引ける強力な中中辞書、といったところ。見出語はそれぞれ、注音だけでなく拼音(ピンイン)も確認できるようになっている上、基本的な意味の説明だけでなく、類義語や反対語なども紹介されている。トップページ中ほどにある「分類」という項目からは、ジャンルから検索できるようになっている点もおもしろい。日本ではありそうな面倒くさい登録作業もなく、自由に検索できる。

付録には、年表、略語、台湾の原住民族紹介、中国大陸と違う用語の対照表、親族呼称のまとめ表、拼音と注音の対照表などが載る。

もう一つすごいのは、スマホなら「萌典」というアプリが無料で提供されている点だ(版権提供による)。PC で作業するなら上記のネット版を利用するのが便利だが、スマホでは部首から検索でき、単語の横にある鉛筆マークを押すと、筆順が楷書で映し出される。

それにしても国語辞典が無料って、なんて素敵! 日本だと、辞典は一般書に比べるとやっぱり高価な買い物で、充実した内容のものを買おうとすると結構な出費になる。こうやって無償提供できるのはやっぱり国の仕事としてやったものだからだ。これが日本だと、こうはいかない。辞書は大手出版社の製作によるものなので、どうしたって買う側がその製作費用を購入という形で負担しなければならない。ただ、だからこそ、いろんな角度の辞書があって、それはそれでおもしろいのだけれど。

ただ、ここでもわたしのような外国人にとってハードルになるのは注音だ。いわば台湾の読み仮名なのだけれど、一般的な中国語学習者は拼音で発音指導を受けているため、注音の学習が別に必要になる。つまり、注音をマスターしなければ、この辞書を使って音から引くことができない。やっぱり台湾で暮らすなら注音は覚えておいたほうがいい。

……と、ちょっと横道に逸れたが、中中辞典を探している人、台湾で中国語を使う人、習う人などに、ともかくオススメしたいアイテムだ。

 

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