ライターに必要なのはSEO対応よりサイト運営の経験だ。

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いまや、世の中を検索する時代に突入した。自分もそう。Googleは最も身近でお気軽な辞書と化し、なんでもかんでもすぐググる。昔の言葉を借りれば「1億総検索時代」。そんな中、新しいサイトやサービスが次々と立ち上がり、そこにクラウドソーシングなどを通じて大量のライターが投入されている。当たり前だが、検索してたどり着いたサイトを見る側と検索されるサイトを制作する側とでは、圧倒的に後者の数が少ない。

一つの目線に過ぎないのだけれど、これからのライターに求められる力について、あれこれ考えてみた。

激安ライター仕事の増える理由

無料サイトやSNSも含めると、結構な人が自分の発信ツールを持つ時代だ。もしかしたら星の数以上サイトの海広がる現代社会で、自分の作り出した商品やサービスを世界に向けて発信するにはサイトの開設が第一関門となる。開設には、たくさんの人が来るコンテンツが必要だ。企業サイトには必須条件がある。それがページの圧倒的な数だ。企業なら 100 や 200 のコンテンツ数ではダメだ。アマゾンや楽天、ヤフーといった大手サービスを見ればわかる。とにかく圧倒的な量がなければならない。

さらに、最近のコンテンツとして動画が増えているが、動画そのものでは検索ができない。何はさておき、テキストが必要となる。だからサイトの立ち上げには、どうしたって書き手がいる。その発注先として白羽の矢が当たったのが、クラウドを利用するライターといっていい。中には、1記事数十円単位の原稿料だってある。そして、それを引き受ける人がいる。そうしてまた、安い仕事が量産されていく。

量産され続けるテキスト

安く、あまり人間関係コストを割かずに仕事できる相手。安かろう悪かろうで量産されていくテキスト。クラウドで発注されているライター仕事の中には「初心者 OK」「簡単な文章書きのお仕事です」といった、ライター仕事は簡単だとでもいうような、ちっとも同意できない文言が並ぶ。

そうやって今、テキストがどんどんと増えるご時世だ。ここで問題になるのは、おそらく検索される語をしっかり使えているサイトかどうか。これである。さらに、そこからちゃんとリピーターを生み出し、読者をひきつけるコンテンツたり得ているか。成否は時間が明らかにしてくれるだろう。

これからのライター仕事に向けて

では、大量の激安ライター仕事に対して、ライターはこれから何をしなければならないのだろう。個人的には 2 つあると考える。それは、SEO をしっかり理解しておくこと、自分でサイトを運営することだ。

紙メディアが次々と休刊して、ライター仕事の場所は WEB メディアへと移行している。それに伴い、仕事の会話には SEO という語の出てくる確率が高くなってきた。この 3 文字の単語を知っているだけではだめな時期が訪れている。

ちなみに、当初、SEO についてわたしは大きな誤解をしていた。単に WordPress ならプラグインを入れれば終わり、的なものだと思っていたのだ。言い換えれば、システムが対応するもので、コンテンツが左右するものではないと思っていた。だが、SEO について、流行りのコンテンツマーケティングについて、あれこれと学んでいくうちに、そして自分でサイトを運営するうちに、小手先でどうにかなることではない、ということもわかってきた。

そうした SEO 理解として手っ取り早いのは、自分でサイトを運営してみることだ。そして、その運営データを自ら見ること。書いた記事がどんな反応を生み出しているか、ほかの記事とどう違うか、関連記事は読まれているか、来た人はどんな行動をとっているか、とにかくいろいろな角度から見比べてみる。そうすることで、弱点やよい点が見えてくる。

続けていくと、ちゃんと読まれ、検索される記事とはどんなものなのかがつかめるようになる。SEO 対策は単に人気の単語を並べれば済むわけではない。体験の積み重ねが大切だ。そうして自サイトで検索の多い記事を見ていくうちに、少しずつではあるけれど、SEO を踏まえた記事へのアプローチがわかってくる。その意味でも SEO を単語の意味だけではなく、どういう考え方が求められるのか、理解しておく必要がある。そのためには自分でサイトを運営し、トライアンドエラーを繰り返す、これに尽きる。

WEB メディアにとっても、ライターが自分でサイトを運営しているかどうかは、一つの指標になるだろう。なにしろ、メリットは大きい。期待するクオリティを提供できるライターかどうか見極められるだけでなく、SEO を狙って書けるなら、御の字だろう。見極めるのに至って簡単なのは、人を募集する際に「自分でサイトを運営したことがあるか」を条件にすればいい。なんなら独自ドメインかどうかだって付け加えてもいい。そうすれば、求める人材かどうかはすぐにわかる。

メディアは違えどライターは。

最後に。今の時代にライターに求められている力をまとめておく。

紙メディアの言葉でいえば、読者ターゲットをしっかりと定め、読者のニーズに合わせた記事づくり。これを WEB メディアの言葉でいえば、UU を増やし、直帰率と離脱率を下げるコンテンツづくり。なんていうか、言葉や形態はあれこれと違うんだけれど、底に流れることは同じなのだなあとつくづく思う。SEO 対策といっても、極端に言えば、ユーザーが、人の気持ちが、しっかりと見えているかが肝になるのだから。

書籍でも雑誌でも、おそらく映画や音楽でもそう。読者やユーザーのことをしっかり想像できるか否かは、サービスやコンテンツ提供側にとって、どうしたって必要で不可欠なポイントなのだ。翻ってライターがクリアしなきゃならん問題は、違った形態のメディアがいろいろある中で、相手に合わせた調理法で求められる料理を提供できるか、ということ。なにしろメディアの過渡期ってことだからね、今の時代は。

あ、そうそう。ちゃんと料理提供できるぜ、って人は、ちゃんとした原稿料もしっかり交渉できるし、請求できるし、しなきゃならんと思う。自分で自分のやってきたことを肯定し、ライター仕事をもっともっと盛り上げるためにも。わたしだって、まだまだだけどもねー。

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