《我的少女時代》があの台湾映画よりも日本で売れる気がする理由。

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台湾では、人気のない映画と判断されるや否や、パッと上映作品から取り下げられてしまう。その浮き沈みを日々見ている台北の劇場で働く従姉妹が「すっごいおもしろかったし、人気だよ」と言った作品が《我的小女時代》だ。8 月中旬に初めて劇場でかかってから 3 か月。ロングランを飛ばしている。海外では、香港、マカオ、マレーシア、シンガポール、中国、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、イギリス、カナダなど、各地で上映が始まった。

主に 1990 年代後半の台湾を舞台にした青春映画。甘酸っぱくてほろ苦い要素が満載で、(ああ、台湾の高校生ってこんな感じだったんだなあ)と思いつつも、日本の80年代っぽさも感じさせる素敵な作品だ。

主人公は林真心という名のフツーの女子高生と、徐太宇という名の男子高校生。この二人がさまざまな騒動を巻き起こしていく。林真心はバスケ部の歐陽非凡に密か?な恋心を抱く。非凡は全校女生徒の憧れの的で、頭もよくて運動もできる言ってみれば全校イチのアイドルだ。一方、徐太宇は一番は一番でも全校イチのワル。同じ高校に通うマドンナ・陶敏敏に恋心を抱いていた。だが、それぞれ想う相手は、なんだかアヤシイ空気。徐太宇が林真心に、二人でお互いの恋を実るように協力しようぜ、と持ちかけたあたりからストーリーが大きく展開していく--。

台湾映画を好きな人ならきっと誰もが思い出すのは、台湾で爆発的なヒットとなって、日本でも上映された台湾映画『あの頃、君を追いかけた』(原題:那些年,我們一起追的女孩、公式サイト)だろう。こちらも主人公が男子高校生から大学生くらいまでのお話。あれがダンシ版なら、本作はジョシ版。特に後半の展開は、思いもよらぬ展開があるわ、思いもよらぬ人が登場するわ、胸キュンポイントがたっぷりで、アチコチでぐっと来た。

ちなみに、ちょうど 90 年代は大学生だった義妹も、友達と従姉妹を連れて観てきた。この映画の話をするたびに笑いがこみあげるらしく、あのシーンはこうだった、あそこは笑った、と大ウケ。同行した従姉妹は「ずっと劇場中にお姉ちゃんたちの笑い声が響くんだから。ちょっと恥ずかしかったよ」とこぼしていたほど。でも、そこまで笑えるって、やっぱいい映画だってことだよ、と返した。

ところで本作。時代も場所も違うのに、なんだか懐かしい気分になった。というのも、好きなアイドル(本作ではアンディ・ラウ)のポスターを貼ったり、下敷きやらブロマイドを持ったりと、日本の 80 年代アイドル全盛期を思い起こさせる場面が満載なのだ。もう一つ、思い出した作品がある。それは『イタズラなKiss』だ。原作は日本の少女コミックなのだけれど、台湾や韓国でドラマ化され、さらに映画に舞台にと劇場展開された少女コミックの中でもかなりのパワーを持った人気作品である。そのイタキスと共通しているのは主人公のキャラクター設定だ。純粋でおっちょこちょいなんだけれども、どこか芯の通った彼女が恋に勉強に青春する日々を過ごす姿はそっくり。

80 年代を懐かしく思う世代は、おそらくわたしと同じ団塊ジュニアあたり。人口比からしても、結構な人数がいて、しかもジョシが楽しめる台湾映画。これって、台湾ドラマにはあったけれど台湾映画にはなかったポイントじゃないだろうか。日本で上映される台湾映画というと、歴史をテーマにしたものが多い印象が勝手にあるのだけれど、この作品は肩の力を抜いて楽しめる点が素晴らしい。ダンシ目線だった『あの頃、きみを追いかけた』よりも、ずっとストレートに伝わってくる作品なんだけれども…それはジョシ目線だからだろうか。いずれにしても、日本では上映されるといいなあと思う 1 本だった。

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