金鐘獎で3部門受賞の台湾ドラマ《16個夏天》を観る。

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台湾には、3つの大きな賞レースがあることはよく知られている。一つは 6 月末に発表される音楽アワード「金曲獎」、二つめは 9 月下旬に発表されるテレビアワード「金鐘獎」、三つめは 11 月下旬に発表される映画アワード「金馬獎」だ。音楽は今年特に注目していなかったので紹介できないのだけれど、映画では青春映画《我的少女時代》とドキュメンタリー映画《灣生回家》の 2 作品を紹介した。

先日、久しぶりに台湾ドラマを観た。タイトルは今年の金鐘獎で特に印象に残り、見逃していた《16 個夏天》である。昨年の 7 月から 11 月にかけて初放送された本作は、2015 年の台湾テレビアワードで 7 部門にノミネートされ、ドラマ番組賞、助演女優賞、ドラマ監督賞の 3 部門を制した。

 

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主演は、《兩個爸爸》(邦題:ふたりのパパ)の出演以降、特に露出の目立っている楊一展(ヤン・イーチャン)と、つい最近日本でも放映の始まった《精忠岳飛》(邦題:岳飛伝)で妻役を務める林心如(ルビー・リン)である。最近、旬のふたりが主役を張るドラマだ。

ストーリーは、1999 年の夏から始まる。学生時代に出会った主人公ふたりが惹かれ合いながらも、互いに思いを明かすことができないままに間違いやすれ違いを繰り返し、16 年かけて一緒になり、自分たちの運命を受け入れていく、といったような話だ。本作はどちらかというと重めのメロドラマ。これまで台湾ドラマに見られた、人生を笑う要素がそれほど多くはないので、念のため。

おもしろく感じたのは、台湾のその頃の様子が物語のベースにきちんと織り込まれていること。1999 年 9 月 21 日起きた地震と、その少し前の 7 月 29 日に起きた台北の大停電が織り込まれているあたりは、(ああ、こんな感じだったんだなあ)と思わせるに十分だった。象徴的なのは、ポケベル→携帯→スマホと小物が変わっていくこと(ちなみに大型クライアントの 1 社は HTC)。些細なことのようでいて、ドラマと一緒に、時間が動いていく様子がしっかりと伝わってくる。

また、各話の冒頭に、さまざまな著名人の書いた「16 個夏天」にまつわるメッセージが紹介される。言承旭(ジェリー・イェン)、黃曉明(ホァン・シャオミン)、つい先日、司会を務めていた人気トーク番組「康熙来了」から降板した蔡康永など、顔ぶれも多彩。そのメッセージも興味深いものばかり。

本作で見逃せないのは、助演女優賞を受賞した許瑋甯(ティファニー・シュー)だ。彼女は、日本でも放送されたいくつもの台湾ドラマでかなり重要な役どころを演じてきた。けれど受賞は初めてのこと。本作での役どころは、主人公ふたりの友達役で、なおかつ、後半で大きな展開を引き受ける。詳しいことは書かないでおくけれど、彼女の受賞は、とってもうなずけるものだった、ということだけは加えておこう。

主役の林心如(ルビー・リン)も、特に前半の学生時代では、ほかの作品で見たことのないほどセリフが多く、快活な女学生を演じていて、とても新鮮だった。特に岳飛の妻役で感情を抑えた様子の演技とはまるで違う。途中からは、大きな岐路を経て、大人の女性になっていく姿を演じていて、その変化も楽しめる。

さて、中国語学習の観点から。ラブストーリーなだけに、それほど難易度は高くない。ほかの記事(こんなのとか、こんなの)でも書いていることだけれど、現代生活に近い舞台設定だし、警官や医師など専門用語のジャンジャン出てくる特殊な職業の人は出てこない。台湾ドラマに付きものの台湾語も、それほど多くないので、比較的わかりやすいのではないだろうか。

日本での放送は特に予定されてないようだけれど、運命について考えたいメロドラマ好きの方、あるいは台湾ドラマを中国語学習に役立てたい方に観ていただけたらなあ、と思う。

 

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