泉正人著『超図解「仕組み」仕事術』にみる家事との共通点

前回記事「台湾嫁(台灣媳婦)が、台湾の台所との距離をちょっぴり縮めるまで。」では、台湾に来て暮らしの中心である台所を、海外というちょっと特殊な視点からどうやって組み立ててきたかについて、これまでのプロセスをまとめた。

この記事を書きながら、ふと気づいたことがある。それはビジネスと家事には共通する点がある、ということ。

台湾の台所を学ぶ試行錯誤=ビジネスでいうところの PDCA を回す状態
自分ルールを構築していく=台所の仕組み化を試みている

ビジネス書の根っこは、働く人たち個々の経験や考え方を書籍という形でシェアしていくという機能にある。世の中では、仕事と家事はほとんど別物のようにいわれているけれど、実は考え方はかなり応用できる部分があるように思う。それで改めて読み直したのが泉正人著『超図解「仕組み」仕事術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)だ。

どういう点が共通しているか、具体例で考えてみよう。本書ではそもそも仕組みを次のように定義している。

「誰が、いつ、何度やっても、同じ成果が出せるシステム」(本書より)

この定義に料理のレシピをあてはめると「誰が、いつ、何度やっても、同じ料理ができるシステム」と言い換えることができる。つまりは、台所仕事の仕組みの 1 つ、というわけ。

また「「仕組み」で考える人の〝 7 つの習慣〟」という項にこうある。

楽することにこだわる
「仕組み」仕事術の原点は、「面倒くさい」「やりたくない」。
しかしそこで、「やらない」ではなく「楽にやる」のがポイント。「面倒くさい」を「楽」に変えるために、自分の仕事に「仕組み」をつくるのです。(本書より)

これなんて、仕事を家事に置き換えればまさに世の家事を担う全員の願いだろう。「仕事の 90 %は雑事だ」と言われるけれど、家事だって細かな作業の積み重ねだ。この作業について、本書で次のように分類されている。

「作業系」の仕事:頭を使わないで処理できる仕事。手や身体を動かすなど行動をともなう実務作業。ルーチンワークであることが多い。
「思考系」の仕事:頭を使って考える必要がある仕事。知的作業。(本書より)

これを家事に応用してみると、こんな感じだろうか。

「作業系」の家事:買い物、調理、掃除、洗濯、片づけ、ゴミ出し
「思考系」の家事:献立づくり、収納

調理については(え、思考系じゃ?)と思われるかもしれないけれど、おおよその料理にレシピがあることを考えると 1 食を準備するプロセスのうち、メニューと調理手順を決めるまでが思考系で、調理そのものは作業といっていい。

上記の家事項目は大まかな名詞を列挙したけれど、どれもさまざまな手順や流れがあり、細分化できるものばかり。仕事上の作業については本書に「TO DOリストを作成する」という項がある。思い立って試しにグーグル先生に「家事リスト」と訊ねてみると出てくる出てくる! 家事リストがエクセル表になってわんさかヒットした。やっぱり、みんなどうやって効率化するか、試行錯誤しているんだなあ(感動)。

このサイトでも何度か、家庭内での家事分担について触れてきた(これとかこれとか)。本書には「「自分でやったほうが早い」をやめる」「「仕組み」でチームを動かす」という項目がある。これも自分がチームリーダーになったつもり(=大哥を新人や若手とする)で読んでいくと、現状の仕組みの問題点が見えてくる。たとえば、仕組みの存在が共有されていなければ、うまくは回らない。

「部下にやり方を説明するのは面倒くさいから、自分でやってしまおう」
 これも、危険な考え方です。
 「作業系」の仕事はふつう、誰か他の人に頼むよりも、自分でやってしまうほうが早くて楽なことが多い、それは確かです。なぜなら、他人は自分が思ったとおりには動いてくれないからです。他人を自分の代わりに動かすには、多くのスキルや労力が必要となります。だから面倒くさくなって、自分でやってしまうのです。(本書より)

マネジャーになったら、部下や同僚に仕事をまかせるときに、「やっておいて」と言うだけでは不十分です。彼らがその仕事を問題なく実行できるような「仕組み」をつくって、そのうえで仕事をまかせなくてはなりません。それがマネジャーに与えられた役割なのです。(本書より)

もちろん、マネジャー=自分、部下=大哥(旦那)と読み替えたことを告白しておく。引っ越しや結婚(離婚)といった生活の変化は、暮らしの仕組みそのものを大きく見直す機会でもある。女性が社会進出し、家事分担をどうするか議論されてずいぶん経つけれど、性別による役割分業から議論をスタートさせるからおかしなことになるのかもしれない。重要なことは、家族全員がどうやって楽する仕組みをつくるか、なんだよなあ。わが家もまだまだ検討の余地がありそうだ。

 

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