病院から垣間見る台湾と日本

flowerしばらく義父が入院していた。入院先は台湾大学病院。去年の選挙で当選した台北市長の勤務先である。5 年前に大腸がんの手術で義父は人工肛門を付けていたのだが、喜寿越えでなんと「閉じたい」と言い出した。無事に手術を終え、1 週間ほどで退院し、自宅療養へと切り替わった。この週末は一緒に台湾式ポーカーで過ごしたが、ほぼいつも通りの義父に戻っていた。その義父が入院した同じ時期、日本の医療関係者のインタビュー記事をまとめるお仕事をいただいた(後日リンク貼ります)。日本でも病院にはなにかとお世話になっているし、台湾に来てから入院を体験したしで、医療について見聞きしたことをご紹介したい。

 

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医療の IT 化が進む台湾

ある週末、いつものようにみんなでポーカーをやっていたら、舅舅が「おい、明日、病院に行くから、予約入れてくれよ」と言い出した。「どうやって予約するの?」と聞いたら「ネットだよ」とサラリと言う。オンラインの診療予約で、病院のサイトから、診療科、担当医、希望日時を確認・選択して予約を入れる。聞けば、大きな病院はたいていオンラインだという。電子カルテがあるのかまではわからなかったのだけれど、病院施設内ではフリーの Wi-Fi が飛んでいて、自由に利用できた。わたしの知る限り、日本で病院の予約をオンラインで、なんて聞いたことがない。少なくとも施設内に Wi-Fi が飛んでいるかどうかなんて、気にしたことがなかった。

外来者の数と面会手続き

義父の退院まで、大哥の兄弟が交代で付き添った。病院の付き添いは台湾のほうが断然多い。昼間だろうが夜だろうが、入院患者にはたいてい誰かが付き添っている。病室の作りも、患者のベッドの横に誰かが付き添えるように簡易ベッド兼イスが最初から用意されている。これは、台湾では付き添いが当たり前という意識が浸透しているからこそだろう。イスなんて置くスペースさえない日本とは大きく違う。また、家族に何かがあるのは、誰にだって起こり得ることで、気軽に休めて見舞える。それはかなりの点まで仕事を優先させねばならない日本人の働き方と決定的に違う点だ。また、日本では病室に向かうまでに、毎回名前を書かされ、看護師にいちいち断らねばならないが、台湾ではそれがない。必要なセキュリティと言われればそれまでだが、ただでさえ忙しい看護師や受付の仕事を増やしてまで必要な手続きなんだろうか。

施設のつくり方

台湾大学付属病院で何より驚いたのは、地下にデパート並みのフードコートがあることだった(ちなみに微風)。さらにコンビニ、医療用品の売店、カフェ、銀行、郵便局がフロアに広がる。日本では小さな売店とたいして美味しくない食堂くらいしか病院の施設内にないことが多いが、外来者の多い病院に中身充実のレストランが併設されているって、病院選びの大きなファクターになる気がする。病人だろうと医師だろうと付き添いだろうと、美味しいものを食べたい気持ちは同じはずだ。

思うのは、台湾は IT の利用がうまい、ということ。場には必ず人が行き交うことを前提にしながら、IT を上手に組み入れた構造になっている。また、誰もが医療を受ける可能性を秘めた存在だという香りが漂っている。以前に書いたように、お年寄りも病人も障碍のある人も外出している、顔が見える、ということが効いていてヒト科ヒトとして健全、そんな気がするんである。ちなみに、義父が退院したのと入れ替わりに、今度は堂妹が入院した。大騒ぎの年末年始である。

 


 

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